会長あいさつ
2018年4月より木村昭夫会長の後任として、2018-2019年度のVUV・SX高輝度光源利用者懇談会(VSX懇談会)会長を務めさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
VSX懇談会は、東京大学が建設するVUV・SX高輝度光源施設の建設協力ならびにその利用研究計画に関わる情報交換の円滑化を図るとともに、会員相互の交流の促進を図り、放射光科学の発展に寄与することを目的とし、1996年に設立されました。そのときは、東京大学が提案していたVUV・SX高輝度光源計画がまさに動き出そうとししており、活気にあふれていたことを思い出します。その後、関係された皆様のご努力も虚しく、高輝度光源計画は、2005年10月に中止になりました。そのかわりに、東京大学に放射光連携研究機構が設置され、この機構が
SPring-8に建設した東京大学物質科学アウトステーションビームラインBL07LSUの共同利用がVSX懇談会の主たる活動範囲になっています。このビームラインは2009年後期より共同利用が開始され、「時間分解光電子分光ステーション」、「3次元ナノESCAステーション」、「超高分解能軟X線発光分光ステーション」とフリーポートで構成されており、さまざまな最先端SX分光研究が展開され、世界をリードするまでになってきました。
このように、当初の目的であるVUV・SX分光研究の振興のうち、SXはこのようにSPring-8で花開いておりますが、機構の最初の計画にあったVUV領域の最先端分光を共同利用に提供することは、これまで実現されてきませんでした。しかしながら、今年度より3GeV高輝度光源計画が動き出し、当初の計画にあったVUV・SXをカバーする最先端ビームラインを建設できる可能性が出てきました。
ちょうど私の在任中は、この3GeV計画が大きく動く時期と思われます。その間、機を逃すことのないよう、VSX懇談会会員の声をお聞きし、最適なビームラインを設置できるよう、微力ですが鋭意取り組む所存です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。